目にカプサイシン
悲劇は夕飯を食べ始めて程なくして起きた。
私は夕飯に野菜炒めとコンソメスープに作り、それぞれタカノツメを1本ずつ指で揉み込むように砕いて入れた。
手の臭いを嗅ぐと、タカノツメの臭いがツーンとした。勿論その後に手を水洗いしたことは先に言っておきたい。
そうして夕飯をきちんと作って食べ始めたのだが、程なくして瞼が少し痒くなってきたので、無意識に軽く人差し指の側面辺りですっと瞼を擦った記憶は何となく残っている。
いつの間にか少しずつ目がスースーしてきた。まるで目の近くを蚊に刺されて、虫さされ薬を塗ってしまった時のように、まだ僅かに手に残っていた成分がぎりぎりで目に届き刺激してしまったようだった。
じっと我慢しようかとも思ったが、洗い流した方が早かろうと思って水をパシャパシャ瞼辺り
に掛けた。ところがこれが思わぬ逆効果となった。指に付いている成分が、瞼にかけた水に溶け込んでしまったのか、両目ともヒリヒリしてきた。そう、スースーどころか、まるでタマネギ切りの親分のように、痛みすら伴ってヒリヒリしてきたのだ。
目から炎が噴くんじゃないかと思う程、目も開けていられないくらいになり、危ないと思って堪らずコンタクトレンズを取った。この行動がまた最悪だったというか、直接目に触れた訳ではないのに、いよいよ目への刺激が悪化し、痛みが辛すぎてのたうち回った。
タカノツメを指で砕いたりするもんじゃないなと思った。そして、タカノツメを扱ったらその後粘膜への意識は高く持っておかなくてはいけないということも学んだ。恐るべしカプサイシン。
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