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2006年11月23日 (木)

図書館での立ち読みから

3日程前でしょうか、
灰谷健次郎作品との出会いについて
ブログに書こうと思い付いたのですが、
それを実行する前に今日の灰谷氏の訃報を知りました。

今年は特に、芸能人や著名人のご逝去が
多いような気がしていますが、
その度に寂しい気持ちを感じています。
ブラウン管などでお馴染みだった方々が
この世から居なくなってしまうということに、
不思議な気持ちも同時に感じますが、
謹んでお悔やみ申し上げます。


プロフィールにも記載している通り、
灰谷健次郎氏は私の好きな作家の一人です。
灰谷氏の作品に惹かれたのは中学生の時でした。
今はほとんど本を読まなくなってしまいましたが、
当時はそこそこ読む方でした。
とは言え、活字の小さい、所謂(いわゆる)文庫本は
あまり読みませんでした。

ある時、学校の図書室を徘徊していると、
ふと黄色い背表紙の『兎の目』という本が目に入りました。
作品名は耳にしたことがありましたが、
内容は知りませんでした。
灰谷作品と言うと、小学校の教科書に載っていた
『ろくべえ まってろよ』くらいしか知りませんでした。
そこで、何気なく手に取って何ページか読んでみました。
それが読み進めていくうちに没頭してしまい、
何度も図書館に行っては続きを読んでいましたが、
80ページくらい読んだところで、
これは自分のコレクションとして持っておきたい本だと思い、
遂に本屋に買いに行ってしまい、
最後まで読破してしまったという思い出の本です。

何故図書館で借りずに足繁く読みに通ったのかを
突っ込まれても理由はよく覚えていませんが、
兎に角、それくらいこの作品に引き込まれたのでした。
その後も何作品かではありますが読んでみたところ、
教師をしていたと言う経験が生かされているのか、
どれも暖かさを感じる作品でした。
当時、私は漠然と小説家になりたいと思っていたのですが、
灰谷作品の心情描写のリアリティさや奥深さに、
「自分にはフィクションでここまでの作品を生み出せない」
と思い、作家の凄さをしみじみ感じた契機にもなりました。

あの時、偶(たまたま)図書館で見付けていなければ、
もしかしたら未だに知らずに居たかもしれません。
世の中にはきっとそういう自分の知らない面白い作品が、
ごまんと存在しているんだろうなと思います。
読書の秋なのに読書をせずに冬になりそうです。

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コメント

灰谷さん、いいですよね。
生徒と先生の交流がこれぐらいうまくいっていたら、今の子供達もこんなになっていなかったと思うのですが…
昔の先生は熱かった…
自分の主義を持っていて、子供を愛していて、そして灰谷さんもそういう教師だったんですよね。
「兎の目」、私も大好きです。
灰谷さん、日本という国、天国から見守ってください。

投稿: 笑 | 2006年11月24日 (金) 08時39分

特に今の世の中は、教育現場が乱れていますからね。是非とも良い環境で子供たちが学べるような世の中を望みます。

投稿: メークイン男爵 | 2006年11月25日 (土) 00時41分

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