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2007年7月30日 (月)

母校への誇りに我思う

今年母校の高校が創立80周年を迎えますが、
その記念式典の案内と共に、
その記念事業として校舎を大改築するための
募金の依頼文書が送られてきました。

我が母校は県下初の私立中学校(学制改革前)
として創立された長い歴史のある私立校ですが、
建学の精神に基づいた校風のためか、
一言で言うと質素倹約や質実剛健と言った感じで、
私立なのにあまりお金を掛けないため、
全然飾り気もなければ、
部活動や学業等への優遇措置も一切ありません。
兎に角真面目で質素というか地味であり、
広報活動(宣伝)も必要最低限しかやっておらず、
ちょっと古風で風変わりでもあるかもしれません。

母校の中学校は新しい建物だっただけに、
入学当初はそのボロさに面食らっていたものです。
辛うじて自習室と職員室などには
冷暖房が完備されていたものの、
ほとんどの教室は冷房も暖房もありませんでした。
私立どころか建て替えが進められ始めた県立でさえ、
冷暖房完備が当たり前になってきていた時代に、
潔いまでのボロさは弁解のしようがありませんでした。

窓の桟のパッキンは既にボロボロで、
たまに窓を開け閉めする度にガラスがガタガタする程
ほとんどなくなっていた所もあったくらいなので、
台風などで横殴りの暴雨風が窓ガラスを叩き付けると、
下のレールの隙間から雨水が噴き上げるように
入ってきて床が濡れたりしていました。

夏の暑さの中、窓を開けても風が入ってこない時は、
汗だくで授業を受けていたものです。
廊下の床なども所々剥がれたりしていました。
女子トイレは改装されて綺麗だったようですが、
男子トイレは如何にも「便所」という感じで、
洗面台に鏡がない所もある程でした。

ペンキを塗り直したりしてちょこちょこと
リフォームなどはしていたようですが、
如何せん下地自体がかなり歴史を感じさせていたため、
古さは隠し切れていないのでした。

でもそんな学校生活を送っていたからこそ、
贅沢に慣れることもなく、
快適じゃなくてもちょっとのことは我慢できるような
今の自分があるのかなという気がします。
(遂に何年か前に冷房か何かは
入れたという噂は聞きましたが)。

そんな地味目な母校(の同窓会)が今回、
その名も「世紀の大改築~耐震改築・補強と近代化」
という思い切った計画を打ち出し、
パンフレットに載っていたその完成イメージ図を見て、
「こんなの母校(のイメージ)じゃない!!」
と思ったくらいびっくりしました。

斬新、洗練、華々しさなどという言葉とは無縁の学校が、
かなり洗練されたデザインに
ガラスの反射が眩しいそうな佇まいで、
今風の建物に生まれ変わろうとしていました。

校舎の老朽化も相当進んでいると思われますし、
学校見学や受験に来る受験生達にしてみれば、
冷暖房の完備された綺麗な校舎の高校と比べたら、
古臭さ漂う見劣りする学校より
魅力的に映ることもあると思うので、
改築は時代の流れを考えると
必要に迫られていることかもしれません。

新しくなる校舎で快適に過ごせる未来の後輩達が
羨ましくもあり、ある種の嫉妬すら感じてしまいます。
「自分達はああいう環境で頑張ったのに、
今の生徒達はそういうのを知らないで過ごすんだな」
と変に先輩面しそうな気もします。

でもそれを言ったら、私たちの更に先輩方は、
もっと設備の整っていなかった環境の中で
過ごされていた訳ですから、先輩方から見れば
「それでも君たちはずっと恵まれているよ」
と言われてしまうでしょう。
それが歴史というものですからね。

昔より便利になるのは当たり前。
昔より快適になるのは当たり前。
大切なことは、いつの時代も変わらない
母校として誇りを持てる学校で在り続けるということ、
そして母校に誇りを持つ生徒や同窓生達が
今後も輩出され続けていくということです。

その時代に生きる生徒達は、
その時代の環境の中で生きるだけに過ぎない訳で、
それについて小言を言っても始まりません。
母校がいつまでも活躍、発展していくことこそ、
OBとして最大の喜びでもあります。
ぶれない強い信念を持った母校で
高校時代を過ごせたことは自分の誇りです。

過去を振り返ればやり直したいことは沢山あります。
後悔したことも数えきれません。
しかし、高校に限らず、
入学先を選んだのは本当に運命でしかありませんが、
良い校風を持った母校を常に運命的に選び、
過ごせたことは一番のラッキーだったのかもしれません。

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コメント

とうとう建て替えですか。
これからの生徒集めを考えると、冷暖房完備は必須ですしね、校舎は新しいのじゃないと嫌われるし…(最近の子どもは贅沢よね)
それでも校舎が新しくなっちゃうと、自分の母校という感じがしなくて、行きづらくなってしまいました。

母校に誇りが持てるということはいいことです。
私も誇りを持っています。
ロキはそれがなくなっちゃうような出来事があって(理事会問題)、かわいそうでした。

たっぷり寄付してあげてくださいね。(笑)

投稿: 笑 | 2007年7月31日 (火) 04時49分

贅沢って言いたくなりますよね。でもそれが今の標準なんでしょうね。少子化だから手を打たないといけないというのもあるのでしょう。
僕は今でもほとんど行っていないので、益々違いを感じてしまいそうです。この前の野球応援でつくづく思いましたし。

在学中何も貢献出来なかったので、せめても恩返ししないといけないかもしれません。

投稿: メークイン男爵 | 2007年8月 1日 (水) 19時03分

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