« お気に入りのジーンズ引退 | トップページ | HH観戦記2008 vol.7 »

2008年5月17日 (土)

星新一ワールド

この所『天国からの道』(新潮文庫、星新一著)という
文庫本を時間を見付けては読んでいた。
ほとんど本を読まなくなって久しいが、
1,2年前に友人が「星新一(の本)とか好きだね」
とたまたま言っていたのを受けて、
私も今更ながら読んで見ようと思って買ったのだ。

買ってからしばらくはほとんど読み進めることなく、
ただ本棚に入れていただけだったが、
その前に読み掛けのままにしていた
『世界で一番ふしぎな地図帳』(青春出版社)
という雑学系のシリーズ本を再び読み始め、
それをちょっと前に読み終えたので、
「次に何を読もうかな」と思った時に、
この文庫本に目が留まったという訳だ。

「ショートショート」という星作品のスタイルには、
初めて読んだ時に斬新さを感じたことを覚えている。
しかし、今読んでみてもやはり斬新だ。
ちょっと長めの作品も中にはあるのだが、
割とあっけなく読み切れてしまう作品が多い。
しっかりした内容に引き込まれ
読み進んでいた矢先に突然訪れる物語の締め括りに、
「え?これで終わっちゃうの?」というような
拍子抜けにも似た「あっけなさ」を感じるのだ。
テレビ番組にしろ映画などにしろ、
「そろそろエンディングかな」と感じるものだが、
星作品の場合、不意にエンディングが訪れるのだ。

そしてその多くは、続きや結末を読者の想像に
委ねる形で余韻を残して終わるものが多い。
そこに作者の意図的な「含み」を感じる。

一話一話が短いから読み易いというのは確かにある。
それがショートショートの最大の特徴だとは思う。
しかし、今回この歳になって感じたことは、
短さ故に起承転結を簡潔に感じられるという点である。
言い方は悪いが、下手にだらだらと書かれていて、
どんな話だったのか途中で分からなくなってくるよりも、
すっきりとまとまっていて結論まで短いことで、
話が分かり易いのである。
しかも、何か暗に読者へのメッセージを含んでいるような
作品もまた多いと感じた。
奥が深いのだ。

そんな感じで、最初は読むのに時間も掛かったが、
徐々に星ワールドに慣れてきたこともあって、
読み進めるペースが速くなっていった。
そして数日前、偶然に最後の一話を残した状態で
就寝しようとしていたのだが、
どうにも眠れずに居たので、
「もうちょっとだけ読んでから寝ようかな」と思い、
ごそごそ起き出して読んでいたら
すぐに読み終えてしまった。
思い掛けず読み終えてしまったので目が冴えてしまった。


若干話は変わるが、
私は小説家になりたかった時期があった。
実際にちょこっと書いてみたこともあった。
しかし、どうしても私が思い付くのは
ほんの少しの展開だけであり、
長々と話を展開させていくのは無理そうだった。
芥川龍之介の『羅生門』や
太宰治の『走れメロス』のような短編小説ですら、
短くすっきりとまとまってはいるのだが、
私にとってはあんなにしっかりと作り込んだ文章を
あれだけ長く書くのはかなり大変なことであった。

勢いで一場面を思い付くことはよくあったが、
ちゃんと小説を書くというのは難しかった。
書くなら短編小説しかないと思ったが、
短編は短くて書き易いどころか、濃縮されている分、
却(かえ)って難しいとも聞いたことがある気がする。
だから、結局断念してしまった。
いや、実際には思い付いたあらすじなどを
今でも時々メモくらいはしているのだが。
思い付いただけでメモせぬまま
消えていった話も数知れない。
しかし、この文庫本を読んだことで、
変に強ばっていた肩の力が抜けたような気がする。
「何も無理して長く書くばかりが小説じゃない」と。

そう思えたら、所詮は趣味の域に過ぎないが、
何となく再び小説を考える意欲が湧いてきた。
尤も、この時もこの本を読み終えた後に
ある小説のあらすじが浮かんできてしまい、
結局夜通し頭が冴えて眠れなくなってしまったのだが、
意外と日中はこれがふっと消えてしまう。
完全に消える訳ではないが、
夜寝る前とか変な時間の方が頭が冴えて
良い話が浮かんできたりするのだ。
こんな感じだから、
いくら意欲が湧いてきたと言っても、
頭で浮かんだ発想を後で紙に起こしてみると、
微妙な感覚を表現する言葉が出てこなかったりして、
思い付いた時のような文章が書けない。

思い付いた時にメモをしたとしても、
後でそれを編集する時には
思い付いた時の研ぎ澄まされた感覚が
だいぶ薄れてしまっているので、
何かいまいちな感じになってしまうのだ。
言ってみれば、半分夢の中で考えたことを、
現実世界で書き出せれば良いのだが、
どうもそれがうまくいかないのだ。
真っ暗闇の中で考えている時の方が想像が膨らむ。
そういう頭の中に浮かんできたことを
考えているだけで文章に起こせるような
機械でもあれば良いのだが…。

ドラえもん、何かそういう道具を出して。


☆★ヘルシオーレ!メモ★☆
・キャッチボール:約50分。肩や腰が痛いこともあってあまり力強く投げられなかった。そして、ちょこっとしか走ったりしていないのにかなり息が上がったり、太ももに疲労を感じたりした。久し振りのキャッチボールだったが、結構運動不足が深刻になっているようだ。

|

« お気に入りのジーンズ引退 | トップページ | HH観戦記2008 vol.7 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

星新一は大好きです。
そして、ショートショートにはまって、何回か投稿したこともあります。
自分ではなかなかいいなあと思って、発表を楽しみにしていましたが、いずれも没。
文章力と発想のとぼしさに気付かされました。
ショートショートって、一発芸みたいなものなので、結構難しいものです。
それでも文を書くのは好きなので、違う分野に挑戦中。

男爵くんの小説、きっと面白いことでしょう。
楽しみにしています。

投稿: 笑 | 2008年5月18日 (日) 06時25分

ほとんど未完かメモだけで終わるパターンが多いですが、手直し掛けて作ったものも、今読み返すと恥ずかしくて読むに耐えません。
人に見せられるようなものを書くのは難しいです。

投稿: メークイン男爵 | 2008年5月19日 (月) 11時43分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 星新一ワールド:

« お気に入りのジーンズ引退 | トップページ | HH観戦記2008 vol.7 »